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8.222024
着ぐるみのお手入れ方法
着ぐるみのお手入れ方法についてご紹介します。
着ぐるみを着用した後、そのまま保管すると内部に湿気がこもり、カビが生えてしまう原因になります。
使用後に汚れを落とし、カビを防止しながら保管するための手順をご説明していきます。
表面生地のお手入れ
着ぐるみには様々な異なる性質の素材が使用されています。縫製されている箇所もあればボンドで接着されている場所もあります。仕様によっては水に弱い素材が使われていることもあります。そのため、丸ごと洗濯機に掛けたり丸洗いをすることは安易に出来ません。
屋外で使用する機会も多いので、使用後にメンテナンスを行い着ぐるみを清潔に保つ事が、着ぐるみを長持ちさせるための秘訣です。
ブラッシング
ボアの表面についてしまったゴミやほこりは、その都度落とすのが鉄則です。使用後はこまめにブラッシングをしてください。
ブラシは必ず柔らかい毛のブラシを選びます。ファーや革製品専用のブラシが一番良いのですが、手に入りにくい場合は靴用の豚毛ブラシなどで代用可能です。
サイズも着ぐるみに使うのにちょうど良いものが探しやすいため、着ぐるみのお手入れ用に向いています。
硬いブラシを使用すると、ボアの基布を傷つけ、毛の間に線が入ってしまったり、パイル糸の脱落の原因につながります。
一度抜けたら元に戻りませんので注意してください。
毛の流れに沿って優しく撫でるようにブラッシングします。毛の流れを整えるのにも使えます。
ガムテープでペタペタ!汚れ落とし
少し汚れてしまったから、さっそく濡れぞうきんでゴシゴシ・・・というのは駄目です。
汚れが沈着したり、余計に広がってしまう原因になります。
ブラッシングだけでは落とせない軽い汚れ、毛に絡んでしまったゴミやほこりは、市販の紙ガムテープなどでペタペタして落とします。
粘着力が弱めの紙ガムテープを使用して、汚れ部分を優しくたたくようにして丁寧に作業します。
軽い汚れはこれで目立ちにくくなると思います。しつこくたたきすぎると脱毛してしまうので、やりすぎは禁物です。
ボアは比較的お手入れが簡単な生地と言われていますが、汚れ・色落ち/色あせ・熱によるパイル糸の変質・パイル糸の脱落などに十分に注意して扱ってください。
汚れてしまった時のお手入れ
ブラッシングやガムテープでは落ちない汚れは、ご自宅・会社に戻ってから清潔な場所で簡易クリーニングをしましょう。
また、屋外で使用の場合は着ぐるみは特に汚れやすく、季節によっては内側に大量の汗が付着することもあります。そういった場合は、使用後にできるだけ早く内側も併せてクリーニングをすると着ぐるみを清潔に保ち、安心した運用が出来ます。
まずは、硬く絞った清潔なタオルで、ボアの汚れた部分を軽く拭いてください。
次に、タオルにおしゃれ着洗い用洗剤(アクロンやエマール)を少量垂らして、よくなじませて、優しくたたくようにして汚れを除去してください。
最後に、軽く拭いて洗剤を落とします。
拭いた後にはすぐにしまわず、風通しの良い日陰で、扇風機などを使用して、しっかりと乾かすことで、カビの発生を防ぎます。
汚れた靴の丸洗い方法
着ぐるみの部位で最も汚れやすいのは靴です。
キグルミックス製の着ぐるみは、足首もしくは靴底にファスナーがあり、本体から取り外すことが出来ます。
靴の内部は特に臭いの問題が発生しやすいため、使用後は内部をしっかりと水拭きします。その後、風通しの良い日陰に置いておくことで臭いの定着を防ぐことが出来ます。
靴底は硬質ウレタンフォームとEVA素材で出来ているので、水での丸洗いが可能です。
乾いた状態でよくホコリを落としてから、簡易クリーニングの方法でのメンテナンスが基本ですが、それだけでは不十分な場合があります。
屋外のイベントで動き回り、終わったときにはたった一回の使用でも土埃や泥だらけになってしまうことも珍しくありません。
長期間放っておくと汚れが沈着してしまうため、何度か使用して汚れが気になったら思い切って丸洗いをします。
1.十分な水量のシャワーですすぎ、表面の汚れを流します
2.「固形せっけん」をよく泡立て、靴の表面を優しく洗います(ゴシゴシするのはNGです)
洗濯用せっけんを使用するとさらに汚れがよく落ちます。使用する場合、白い生地以外は「蛍光増白剤」の入っていないものを選んでください。
3.水でせっけんをよく洗い流します
汚れが残っていると乾かしたときに汚れが残ってしまうので、念入りにすすぎます。
4.数時間ほど立て掛けて水を切ってから、乾いたタオルで水気を拭き取ります
水気を含んだままで長時間置いておくと、内側のフォームが重力に負けて変形してしまいますので注意してください。
また、水を切る際に雑巾絞りはしないでください。(生地が傷んでしまいます。)
もし洗濯機があれば、脱水機能のみ使用して水気を取ってから乾かすと効率的です。
5.風通しの良い日陰でよく乾かします
扇風機を使って風を送ってあげると乾きやすいです。半乾きの時にブラシで毛の流れを整えてあげると奇麗に仕上がります。
防水スプレー
ご使用前にフェイクファーなどに使用可能な防水スプレーなど軽く噴いてあげると、簡易的な汚れ防止になります。
全体に掛けると大変なので、足元などの汚れ易い場所のみに使用するのがオススメです。
防水スプレーを掛ける前に、汚れを落として下さい。汚れやゴミが付いていると、汚れをとりこんだまま皮膜を作ってしまい逆効果です。
また、しっかり噴きすぎると毛が寝たままになってしまって、ふわふわ感が損なわれてしまうので気をつけてください。
着ぐるみ内部のカビ対策・除菌・消臭
着ぐるみの内部をキレイにした後には、市販の消臭スプレーやエタノールを使用してカビ対策・除菌・消臭を行うことが出来ます。
消臭スプレー
エアー着ぐるみ内部のお手入れ方法
着ぐるみを着用した後、そのまま保管すると内部に湿気がこもり、カビが生えてしまう原因になります。
使用後に汚れを落とし、カビを防止しながら保管するための手順をご説明していきます。
靴の着脱方法
最初に汚れている靴の部分を取り外します。
足首や靴底についているファスナーを一周回して外してください。
着ぐるみの靴
着ぐるみを裏返す
着ぐるみを裏返して、内生地を露出させます。
耳や腕などの細かい部位も裏返してください。
ブロアファンを取り外す
エアー着ぐるみの内部にはブロアファンが搭載されていますが、水を使用するメンテナンスの際には取り外します。
ファン自体は基本的にゴミやホコリをはらう以外にはメンテナンスフリーですが、衝撃・水・薬品には弱いので気をつけてください。
着ぐるみの内側を見て、ブロアファンの取り付け位置を確認します。
ブロアファン本体は内側に接着されたポケットに収まっています。
通常はキャラクターの背中やお尻部分に設置されていることが多いです。ブロアファン用ポケットのマジックテープ部をはがします。
メンテナンスが終わった後に再装着しますが、この時に隙間やズレができないように注意して下さい。
また、ファンの表裏を間違えないように確認してから戻して下さい。
内部生地のお手入れ
エアー着ぐるみは、内側用の生地と表面のボア生地の二重構造でできています。
エアー着ぐるみの内部には、セシーナという生地が使用されており、空気漏れを防ぎつつ、空気吸引後に形状を保つ役割を果たしています。
セシーナ生地の表面はポリウレタン100%、裏生地はナイロン100%の素材です。
サラサラとした柔らかい触り心地で、水が染み込みにくいためお手入れしやすい素材です。
まずは硬く絞った濡れぞうきんで内部の生地を拭きます。
特に手先や足元などの直接肌が触れる場所は、裏返してしっかり拭いて汗などの汚れを落としてくださ い。
汚れが目立つ場合は、濡れぞうきんに中性洗剤をほんの少量垂らし、よくなじませてから拭き掃除をします。
その後、水を使って清め拭きをして洗剤を落としてください。
拭き掃除をした後は、裏返したままの状態で平坦な場所に置き、風通しの良い日陰でよく乾かしてくだ さい。
扇風機などを直接当てると、早めに乾かすことができます。
長期保管の場合は、ポールハンガーなどに掛けておく事でシワやヨレの予防になります。
ウレタン着ぐるみ内部のお手入れ方法
ウレタン着ぐるみの内部素材
ウレタン着ぐるみというのは、フォーム材(ウレタン/サンペルカ/サンフォーム等)を造形素材に使用している着ぐるみです。
硬質ウレタンフォーム
別名「サンペルカ(化学架橋ポリエチレン樹脂発砲体 低密度ポリエチレンフォーム)」といいます。曲げる力に強く、やや硬めの素材です。単独気泡で水や空気を通さないため、一般的には、建築用の緩衝剤として使用されています。着ぐるみの頭部のように、形をしっかり定めて造形的に作り込みたい部位に適しています。
軟質ウレタンフォーム
「ポリウレタンフォーム」と言って、非常に軽くて柔軟性の高い素材で、クッション性・復元性に優れています。連続気泡で気泡の穴同士が繋がってスポンジのようになっているため、水や空気を通します。着ぐるみの耳などの小さいパーツなどに適しています。
半硬質ウレタンフォーム
硬質ウレタンフォームと軟質ウレタンフォームの中間に位置する素材で柔軟性と硬さの性質を備え持っています。性質としては「ポリウレタンフォーム」に属し、連続気泡のため水や空気を通します。着ぐるみの胴体など、動き易さとしっかりした形状を両立させたい部位に適しています。
「ポリウレタンフォーム」は加水分解や空気中の窒素酸化物などの影響によって、加工生成された段階から次第に経年劣化していきます。この劣化は使用頻度とは無関係に進行していきます。
完全に劣化してしまうのは何年後?というご質問に明確にお応えすることが出来ませんが、5年をひとつの目安にお考え下さい。
劣化も気になりますが、もともと柔らかい素材なので扱い方次第でご使用可能な年月は大きく変わってきます。
これらの特性を考慮したお手入れ方法を紹介します。
着ぐるみ頭部内のお手入れ
硬質ウレタンフォームは、通気性がない代わりに、水が浸透することはありません。着ぐるみの内側が汚れてしまった場合は、硬くしぼった濡れぞうきんに中性洗剤をほんの少しだけ垂らして、馴染ませた後に丁寧に拭いてあげてください。
洗剤が残らないように清め拭きして、しっかり乾かした後、専用収納袋に入れて保管してください。
(※劣化や変色の恐れがあるので、強アルカリ性や強酸性の洗剤、漂白剤などは使用しないでください。)
フォーム材は熱変形します。また、使用している接着剤も熱に弱い為、ドライヤーの熱を当てることはお控え下さい。
保管の際の注意点ですが、硬質ウレタンフォームは復元性がさほど無いため、長時間押しつぶされたりしないように、通気のよい保管場所を広々確保した上で収納して下さい。
キグルミックスでは、ポリウレタンの上に防水性のビニール生地を被せたヘルメットを搭載しており、こちらも同じ方法にてお手入れ出来ます。
着ぐるみ胴体内のお手入れ
軟質・半硬質ウレタンは、水や空気を通し、温度や湿気を一定時間保つ性質があり、スポンジのように水を吸収します。
ご着用後は、乾いた雑巾でしっかり押さえるようにして、汗等の水分を拭き取ってください。
時期によっては黴の原因にもなりますので、過度の水拭きは控え、数回に1回軽く表面を拭いてあげる程度にしてください。
メンテナンス後は、直射日光に当たらない風通しの良い日陰で丸1日乾かして下さい。
梅雨時の乾きにくい時は、扇風機をあてて空気の流れを作ってあげるとにおいが取れやすく、乾きも早くなります。
使用後は出来るだけすぐに干す
グリーティングの終わった着ぐるみは、着ぐるみ内部や生地に湿気がこもります。
ご着用後は、着ぐるみ内部や表面のボアを乾いた清潔なタオルで拭いて、出来る限り水分を取り除いてください。
後は風通しの良い日陰でしっかり乾かします。
ウレタン製の着ぐるみの頭部は逆さまにしたり、布と綿のみで作られている衣装や手袋などの小物は、裏返したり、物干に掛けたりして、なるべく乾き易いように工夫しましょう。
雨に濡れてしまった場合
野外イベントで活動する場合、雨に濡れてしまうことがあります。
雨天時の出演は控えた方がトラブルは少ないのですが、もしも雨に濡れてしまった場合は、次のように対応してください。
まずは表面のボアに染み込んだ水分を、マイクロファイバータオルまたは吸水クロスを使用して出来る限り水分を取り除いてください。
ゴシゴシこすると毛が痛んでしまうので、なるべく毛に沿って撫でて、逆毛にする場合はゆっくり丁寧に拭き取ってください。
表面の水分を拭き取ったら、内側もタオルで拭きます。
ウレタン着ぐるみなど芯材が入っている場合も同じです。
硬質ウレタンフォームは単独気泡という水を通さない性質があるので、表面の水がそのまま染み込むことはありません。しかし内側に湿気が残っているとカビが発生してしまう可能性があるので、可能な限り丁寧に拭き取ってください。
その後は、風通しの良い場所で扇風機を使って風を当てて乾かします。
干せるパーツは物干などに掛け、芯材が入っている場合はひっくり返して半日以上乾かしてください。
このときドライヤーの熱で乾かしたくなる思いますが、出来るだけ避けてください。
アクリルボアは熱に弱いので、近くで熱を当てると毛が変質する可能性があります。また、芯材に硬質ウレタンフォームや軟質ウレタンフォームを使っている場合も同じで、長時間熱を加え続けると変形したり、最悪の場合破損の恐れがあります。
もしドライヤーを使う場合は、送風のみ使用し、軽くブラッシングしながら乾かしてあげると毛並みが整いやすいです。
または、扇風機の近くに置いておくと乾きが早くなります。
ズボンの洗濯方法
靴の次に汚れやすい部分は脚(ズボン)です。
手・足が胴体から分離できるウレタン着ぐるみの場合は、簡単に丸洗いが出来ます。
※ズボンに合成皮革・ゴム等が使われていたり接着剤が使用されている場合、丸洗いは避けて下さい。
- おしゃれ着用洗剤(エマール・アクロン等)を使って、ぬるま湯につけて優しく手洗いします。
- よくすすいでから、軽く押さえて水を切ります。
- 洗濯機(「脱水のみ」が選択できる機種)で5〜10分程度、軽く脱水を掛けます。
- 風通しの良い日陰でよく乾かします。
半乾きの時にブラシで毛の流れを整えてあげると綺麗に仕上がります。
着ぐるみ本体が汚れてしまった場合
内部の構造や目・パーツの素材によって、丸洗い出来る着ぐるみや拭き洗いのみでの作業が必要な着ぐるみがあります。
また、ボア素材の基布(毛が埋め込まれている基盤)まで汚れが浸透している着ぐるみをキレイにするのは特に大変です。
着ぐるみの丸洗いクリーニング
洗える着ぐるみの場合でも万が一の事を考え、お客様ご自身で丸洗いを行うことはお勧めしません。
また、一般のクリーニング業者さんは着ぐるみの取扱いを行ったことがないところがほとんどのため、着ぐるみや舞台衣装などの特殊衣装を専門にしているクリーニング業者さんにお願いする事をお勧めします。
キグルミックスでも、弊社製の着ぐるみの補修・クリーニングを承っています。
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