エアー着ぐるみのできるまで

エアー着ぐるみのできるまで「エアー着ぐるみ」の製作過程についてご紹介します。
製作の工程例(PDF)

(※)はお客様側のご監修が必要となる工程です。

1.図面作成

「前図面・前カラー図面」「横図面・後ろ図面」「生地サンプル」の3つの工程があります。

【前図面・前カラー図面】(※)

「頭身サイズ」と「着用者の身長設定」を元に、1/10スケールの「前図面」「前カラー図面」の2点を製図します。
ご納得いただけるまで何度でも修正できます。前・カラー図面の作成

・頭身サイズ
元イラストまたは頭身バランスの設計条件を元に、頭部の大きさや可動域を決定します。
頭身サイズについて(PDF)

図面上で頭身バランスを調整

・身長設定と全長
着用者の身長に加えて、最低10cmの天井空間を設けること、着用者の足元のサンダルと靴底の厚み分の5cmを設けて設定します。
キャラクターのバランスやデザインによっては、天井空間が10cm以上高くなる場合もあります。
身長設定について(PDF)
サイズについて(PDF)

・視界
キャラクターの目・口などを中心に、デザインに合わせた視界を設定します。
デザインになじまない視界に関しては、お客様とご相談の上、必要の有無を決定します。
視界の詳細についてはこちら

・カラー
事前にCMYKカラー情報を頂いている場合は、数値を反映します。
CMYKカラー以外のモニターカラー情報(Webセーフカラー、RGBなど)の場合は、CMYKに置き直した上で数値を微調整します。

【横・後ろ図面】(※)

前・カラー図面のご承諾を頂いた後、横・後ろ図面と生地サンプルの作成に入ります。
前図面の各部位の高さやパーツの配置に合わせて、横・後ろ図面を作成し、メールにてお送りします。
横・後ろ図面のご監修中に配置が変わった部位がある場合は、前図面に反映して再調整することもあります。
ご納得いただけるまで何度でも修正できます。横・後ろ図面の作成

【生地サンプル】(※)

現物の生地を1.5cm角にカットして、前カラー図面の印刷物に貼り込んで郵送します。
普通郵便のため、郵送日土日祝を除いた、2~4営業日程度での到着となります。

生地サンプルの郵送生地サンプルは、生地メーカーが販売している定番の種類・色の生地の中から、図面のCMYKカラーに近い色の生地を候補として選定します。
色数は限定されておりまして、複数候補ある場合は、2~3種類お送りしておりますが、他の色候補がない場合は1色のみの送付となります。
候補の中から、ご選択頂いた生地番号をメールにてお知らせ頂きます。

2.芯材製作

「型紙作成」「芯地の裁断」「芯地の仮縫製」「芯材完成」の4つの工程があります。

【型紙作成】

図面設計を元に、3Dモデリングソフトを使用して、実物大サイズの型紙を作成します。
着ぐるみの大きさや毛足の流れ、縫い目の本数や角度などを考慮して、型紙用モデリングデータを作ります。

着ぐるみの最終的な見え方を想像しながらプロの目線で調整する必要があるため、モデリングデータのご監修はできません。

3Dモデリングの作成データ作成後に型紙データを平面展開します。
ペーパークラフトのように分割された型紙に対して、各パーツの配置を決めていきます。

3Dモデリングデータの平面展開型紙を印刷して、手作業で形を整え、配置や順番を決める記号を記入していきます。型紙の作成

【芯地の裁断】

型紙に合わせて生地を裁断していきます。

セシーナをカットこの生地はセシーナと言う種類で、空気を通さず伸縮性があるため、エアー着ぐるみを膨らませるのに適しています。
芯材工程で使用したセシーナは、そのまま仕上げ用の内側生地として利用するため、裁断の際に、生地に傷や穴がないかどうか確認します。

縫い代をつけた後、縫い代部分に配置や順番を決める記号を記入します。
表情や腕などの各パーツの位置は、トレース台を使用して、時間が経つと消えるペンで記入します。型紙の生地への書き写し

【芯地の仮縫製】

細いミシン針を使い、セシーナを仮縫製していきます。
セシーナの仮縫製縫製手順は、実際の仕上げ縫製とほぼ同じなので、縫製の手順や方法に無理がないかどうか確認します。

【芯材完成】(※)

縫製した後に靴底を仮設置、ブロアファンを設置して、膨らませながら形状やパーツの配置に問題がないか確認します。
図面と同じ構図で撮影した画像をメールでお送りします。
図面設計の範囲内であれば、パーツの配置などの微調整が可能です。芯材完成

3.仕上げ

「芯材の分解」「地縫い」「仕上げ縫製」「完成」の4つの工程があります。

【芯材の分解】

芯材工程で仮縫製したセシーナの糸を解き、分解していきます。
芯材を分解セシーナを完全に平面にした後、余分な穴や傷がないか確認します。

仕上げ用にパーツの配置を記入していきます。
芯材工程で変更が生じた箇所は、変更後の位置を型紙とセシーナに反映します。パーツ配置の書き写し

【地縫い】

セシーナに表面の生地を縫い付けます。地縫い作業

【仕上げ縫製】

地縫いが完了した生地同士を縫い合わせます。生地の縫い合わせ作業縫い合わせていく途中の段階で、目や口などのパーツ、ファスナーなどを固定します。パーツの取り付け縫製

【完成】(※)

靴底を仕上げ固定した後、ブロアファンを設置して、膨らませながら仕上がりに問題がないか確認します。
図面・芯材と同じ構図で撮影した画像をメールでお送りします。
すべての部位・パーツをミシンで縫製しているため、完成後の修正はできません。エアー着ぐるみの完成

4:納品

発送のご承諾をいただき次第、納品準備に取り掛かります。

【着ぐるみ内部の補強縫製】

完成した着ぐるみの縫い代部分を補強用に縫製します。
空気漏れや大きなほつれを防いでくれます。補強縫製

【糸切り・消えるペン消し】

着ぐるみの内側・外側に飛び出した不要な糸を手作業で除去します。

糸切りまた、仕上げ途中で記入したペン跡を消していきます。
水を使って消しますが、奥まった場所や縫い合わせ箇所は消えにくく、納品時に残ってしまう場合があります。
残っている場合でも、時間が経てば自然に消えていきますのでご安心ください。消せるチャコペン

【検針確認】

検針機を使って、布に針や針先が残っていないか入念に確認します。検針機

【出荷・納品】

お客様の元に商品が配送されます。

完成のご承諾を頂いた1~3営業日後に出荷します。
納品ご希望日がある場合は、ご指定いただくこともできます。

到着次第、内容物一式をご確認いただきます。

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工房責任者

衣笠プロフィール

衣笠 留美(キヌガサ ルミ)

キグルミックス工房責任者。素材の選定から納品に至るまでの実務全般・スケジュールの管理・お客様への窓口業務を行っています。
工房責任者であり技術職としての経験を活かし、明快でわかり易いご説明・ご提案を心掛けています。

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