エアー着ぐるみ(一体型)の肩ベルト構造

大型の着ぐるみはその場に居るだけで強烈な存在感がありますよね。
着ぐるみの中で、横幅や全長が大きくなりやすいのが「LLサイズ(一体型)」です。

当社の「LLサイズ(一体型)」とは、頭と体の間にくびれのない形状の着ぐるみを指します。
サイズが大きくなるので、当社ではエアー着ぐるみのみでの製作を行っています。

LLサイズ(一体型)参考

球体型や横に潰れた楕円型のエアー着ぐるみは、横幅がとても大きくなります。

どのくらい大きくなるかは、中に入る人の身長設定によって決まります。
例えば170cmの人が入る下の図のような足の短い着ぐるみは、横幅が「160cm」近くになります。

身長設定170cmの場合の参考例

着ぐるみサイズの説明図面

着ぐるみとは「人が着るもの」なので、操作感は人の身体の延長として考えるのが一般的ではありますが、「LLサイズ(一体型)」の着ぐるみは少し違います。

衣類の一種として着ぐるみを着るのではなく、空気で膨らんでいる「大きな空間の中に入る」という表現の方がわかりやすいと思います。

その空間の中心に人が立って「着ぐるみを支える柱」となるのです。

肩ベルトの構造

「LLサイズ(一体型)」はS~Lの他のサイズの着ぐるみと肩ベルトの構造が異なります。

S〜Lサイズ(首のあるタイプ)の場合

Lサイズの肩ベルトの構造例

S〜Lサイズのくびれのある着ぐるみは、首(くびれ部分)に肩ベルトを設置します。
肩ベルトの設置位置が高いおかげで、着ぐるみの重心がぐらつきにくい構造をしています。

LLサイズ(一体型)の場合

LLサイズの肩ベルトの構造例図面

「LLサイズ(一体型)」は周りの空間が大きく、高い位置に肩ベルトをつけるためのくびれがないので、肩ベルトを胴体の底に設置することになります。

胴体から上の体積が大きいため、この構造では胴体の底付近を基軸として着ぐるみ本体がぐらつきやすくなります。
重心を支えるために少し工夫が必要になります。

肩ベルトの着用方法

当社の「LLサイズ(一体型)」の着ぐるみには、計4本の肩ベルトが設置されています。

足元を引っ張り上げ、着ぐるみ本体を持ち上げる「肩ベルトA」、そして着ぐるみが前後に揺れるのを防ぐ役割の「肩ベルトB」があります。4本のベルトの画像

肩ベルトAと肩ベルトBは、「肩パット(肩当て)」によって束ねられています。肩パットの画像

肩パットを肩に乗せるだけでは、肩ベルトがずり落ちてしまうので「肩ズレ防止バンド」で左右の肩ベルトAをまとめて縛ります。肩ズレ防止バンドの画像

背面のファスナーを閉め、着ぐるみを膨らませたあと、着用者の身長に合わせて、肩ベルトAと肩ベルトBの長さを調整します。ベルトを調整している画像

肩ベルトAが緩すぎると、着ぐるみの全長が下がり足にしわができますが、きつく締めすぎると重量が肩に掛かってしまいます。肩ベルトAだめな参考図面

肩ベルトBが緩すぎると、前後にぐらつきやすくなりますが、きつく締めすぎると着ぐるみの表面にくっきりとした凹みが生じます。肩ベルトBだめな参考図面

きつすぎず緩すぎず、着用者の身長に合わせてベルトを調整してください。

また、肩ベルトBが肩パットをスライドして前後にグラついてしまう場合は、肩ズレ防止バンドで肩ベルトAと肩ベルトBをまとめて縛ってください。
こうすることで、肩ベルトBのスライドを防ぐことが出来ます。まとめた画像

着ぐるみによって肩ベルトの配置は変わりますが、「LLサイズ(一体型)」のエアー着ぐるみ装着時には是非上記の情報をお役立て下さい。

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工房責任者

衣笠プロフィール

衣笠 留美(キヌガサ ルミ)

キグルミックス工房責任者。素材の選定から納品に至るまでの実務全般・スケジュールの管理・お客様への窓口業務を行っています。
工房責任者であり技術職としての経験を活かし、明快でわかり易いご説明・ご提案を心掛けています。

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