着ぐるみの身長設定について

着ぐるみの製作工程で、まず最初に行うのが図面の作成です。
この図面作成の工程に入る際にご決定頂く内容に、着ぐるみの「身長設定」があります。

身長設定とはご想定されているご着用者の身長の事で、その身長を基準に着ぐるみの全長や視界部の設計を行っていきます。

身長設定は、特殊な場合を除いて150~180cmの間で5cm刻みにご選択可能です。

身長設定と着ぐるみの大きさの関係

身長設定を基準に着ぐるみの全長が決まります。
大抵の場合、耳やツノなどを除いた着ぐるみの頭頂部までの大きさは「身長設定+10cm強」になります。

エアー着ぐるみは歩いたりジャンプしたりといった上下に揺れる動きを行う際、弾力性があるため形状が少し変化します。これがちょっとした動作や仕草も可愛らしく見える理由のひとつですが、設計の際にはこの大きさが変わる特徴を考慮する必要があります。

もしご着用者の頭が着ぐるみの天井部ギリギリになる設計だと、動く度に頭が着ぐるみに接触してしまい、外からご着用者の存在が分かってしまいます。
そこで、ご着用者の身長よりも着ぐるみの全長を大きめに設計する事で中の空間に余裕を持たせています。

身長設定の決め方

着ぐるみを着用する人がひとりに決まっている場合、その方の身長を基準に設計します。

また、30分毎に交代しながら複数の方で着ぐるみの操演を行ったり、使用する場所ごとに着用する担当者が異なる場合もあります。そういったケースでは、着用するのが主に男性か女性かや、大柄な方が多いか小柄な方が多いかを事前に確認してから身長設定を決定します。

身長設定による着ぐるみ全長の差

例えば、主に男性が着用する場合は170cm、女性が着用する場合は160cmと各性別ごとの平均身長を基準にして決めたり、男性・女性の両方に一定数の方がいる身長として165cm程度に設定することが多くあります。

着ぐるみを大きく見せたいか、逆に小さく見せたいかによって決める方法もあります。
小さく可愛らしい印象のキャラクターは身長設定を150~155cmに設定することが多く、大きく迫力のあるキャラクターの場合は175~180cmの身長設定で設計する事が多いです。

着用可能な身長の範囲

完成した着ぐるみは身長設定の方に着用して頂くのが最適ですが、プラスマイナス5cm程度の方でしたら問題なく着用可能です。
例えば、170cmの身長設定にした場合、体型などにもよりますが165~175cmの間が着用可能な範囲となります。

身長設定よりも5cm以上大きな方が着用すると

エアー着ぐるみは通常の着ぐるみと異なり、ご着用者が変わっても常に一定の全長になります。
そのため、身長設定よりも5cm以上大きな方が着用する場合、上下の動作の際に着ぐるみの天井に頭が当たってしまいます。
また、目線よりの視界部の位置が低くなることがあるため、そういった場合は屈んで操演する必要が生じます。

身長設定よりも5cm以上小さな方が着用すると

身長設定よりも小さな方が着用される場合は、着ぐるみの中に入る分には支障はありません。
ただ、設定した視界部が目線の高さよりも高くなってしまい、外が見えずに操演が出来ない可能性があります。

170cm設定の着ぐるみを150cmの方が着用したイメージ

背の高い方と低い方の両方が着用する場合

身長差のある複数の方が着用する場合は、まずは最も身長が高い方を基準に身長設定を決定します。
そのままでは身長設定よりも大幅に小柄な方が視界を確保することが難しいため、身長の低い方用の視界部を追加で設けます。

170cm用と150cm用の視界部を設定した場合のイメージ

着用者の身長に適した視界部を使用する事で、大柄な方も小柄な方でも視界の確保ができて快適な操演を行うことができます。
ただし、視界部はメッシュやスモークフィルムなどの周囲とは異なる素材を用いるため、あまりにも多く設置したり、目立つ場所に設置してしまうと違和感が大きくなってしまいます。

キャラクターのデザインに合せて、イメージや印象を壊さないように気をつけながら視界の位置を決める必要があります。

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工房責任者

衣笠プロフィール

衣笠 留美(キヌガサ ルミ)

キグルミックス工房責任者。素材の選定から納品に至るまでの実務全般・スケジュールの管理・お客様への窓口業務を行っています。
工房責任者であり技術職としての経験を活かし、明快でわかり易いご説明・ご提案を心掛けています。

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